CAMMOCからのお知らせ
この度、CAMMOCでは【SDGs防災キャンプ】を始めます。
SDGs防災キャンプとは、CAMMOCが提唱する、キャンプをしながら無理なく、無駄なく続ける持続可能な防災の形です。この取り組みにより、一人でも多くの方が笑顔で明日を迎えられるよう、私達はこの活動を始めます。
2020.09.01 防災の日
まずは、この活動の指標となるBOUSAI BOOK (フリーペーパー)を制作しました。
暫くの間は、企業様やご縁のある店舗・施設にて限定配布の予定でございますが、
送付のご希望がございましたらお気軽にCONTACTよりお問い合わせください。
はじめに
ある時、キャンプをしていることが災害の備えになると実感したことがありました。
ただただ好きで続けてきたキャンプの知識があることが、
ただただ欲しくて集めてきたキャンプの道具があることが、
命綱になる。
そう強く感じた時に、このキャンプの持つ可能性に震えるほど感動したのです。
そして、それが「キャンプのある暮らし」を伝えるCAMMOCの新たな使命のようにも感じ、このSDGs防災キャンプ の活動を始めようと決意したのです。
今日はそこまでに至った想いをここにまとめました。
皆様にとっても防災について共に考える機会になれば幸いです。
やる気が出ない理由
関東住まいの私は小さい頃から
“近いうちに大きい地震が絶対来る”
と聞かされて育ってきました。
それは、とんでもなく恐ろしい知らせで、
小さな私は毎日布団の中で、その日が来ないようにと祈っていたことを覚えています。
それから、学校で習って、テレビで聞いて、ネット記事で読んで、
少しずつ災害への備えをするようになりました。
毎日祈らないと眠れない程に恐れていた災害。
だけど、いつまで経っても備えは万全!と自信を持つ程出来るようにはなりませんでした。
というか、何が万全なのかわからないし…
なんとなく必要だと思うものを詰め込んだリュックを、数年おきに押入れの奥から引き出し、賞味期限や使用期限の過ぎた物を買い換える作業をする度、複雑な気分になりながら、
“これで生き延びられる気はしないなあ”
と半ば諦めのような気持ちで、また押入れの奥にリュックを押し込むということを繰り返し、
いつしか恐れさえも敢えて感じないように押入れの奥にねじ込んでいたように思います。
何かの折につけて、防災グッズを準備しようとは思うのだけど、
今すぐ使うものじゃないからと思って、ついつい後回しにしてしまうし、
防災グッズはいつでも手に取れる場所に置いておかなきゃって思うけど、
オシャレじゃないから目立つところに置きたくない。
そんな気持ちが、なんだかんだ未だに訪れない「その日」をどんどん無防備なものへ追い込んでいったのです。
キャンプの恩恵
ところが、2019年秋 関東地方を未曾有の台風が襲うという知らせが入り、“大変だ!防災しなきゃ!!!”と初めて本気で備えを見直す機会が訪れました。
早くも巷のスーパーやドラッグストアでは、防災グッズや備蓄食を買い集める人達で行列と買い占めが発生し、ネット上には根拠不明の情報が洪水のように溢れ出て、私達はもはや台風到来前から災害に見舞われたようなパニックに襲われたのです。
しかし、落ち着いてよく考えてみると、もし、今ライフラインが止まったとしても、
私にはいつものキャンプ道具があるから、明かりを灯すことも、火を付けることも、暖をとることもできます。
ある程度、キャンプ用に買い置きしている缶詰やレトルト食品もあるから、数日間、食い繋ぐこともできそうです。
もしも、自宅が水没したり、倒壊したりしてしまった場合には、別の問題が発生しますが、少なくとも自宅で避難生活を送ることが出来るなら、私は今回の台風予報に対して大量の備蓄品や、新たな防災グッズを購入する必要はなさそうだと判断しました。
キャンプでは、毎回何もない場所へ、その時必要なものを必要な分だけ持っていきます。
だから、“例えば3日ライフラインがストップしたとしたら?それが5日だったら?10日だったら?自分の家族を守るには何がどれぐらいあれば良いのか”という答えを、自分のキャンプ経験が導いてくれるのです。
そう思うと、“あぁキャンプやっててよかった〜”とキャンプの存在を心底有り難く感じたのでした。
そして何より、ライフラインのない場所でもキャンプの知識と道具があれば生き延びることができると、体感を通して知っている、ということが精神的に大きな支えとなりました。
これってSDGsかも!
それから私は、キャンプ用品とは全く切り離して考えていた自分の防災バッグの中身を改めてチェックしてみると、
中からは消費期限切れのおやつや、液漏れした電池、カラカラになったウエットティッシュ、とっくにサイズアウトした子供のオムツ…なんかが出てきてため息をついたのでした。
これは先にも書いたように防災バッグを見直す度に出くわす光景です。
だけれど、今回は、その使えなくなった物達を眺めながら、
あれ?これ、いつもキャンプに持っていくものとだいたい同じだから、こんな取り出しにくい場所へ使わずに押し込めておくんじゃなくて、キャンプ用の持ち物として、揃えておいて、使った分だけ補充するようにすればいいんじゃない?と思えたのです。
使いながら防災用品を循環させることを「ローリングストック」っていうんだ、
ということは知っていたのですが、
キッチンの缶詰だけならまだしも、防災グッズの中のものを日常的に循環させるのは正直よっぽどマメな人じゃなきゃ難しいと思うのです(少なくとも私には…)
でも、キャンプの為なら楽しみながら準備できるー!!!
防災グッズもキャンプ道具で揃えることができれば、
使う日が来ないことを願いながら買いためて、古くなったら使わないままに新しいものに買い換えたり、
万が一本当に使う日が来た時に使い方が分からなくて役に立たなかった、
なんてことにはならないでしょう。
キャンプで楽しみながら使って、学んで、慣れ親しんで、
そして、それがそのままもしもの時にも役に立つなんて、素晴らしい!
更に今では、日常使いしたくなる便利なものや、
敢えて見えるように置きたいキャンプ道具も沢山あるから、
「キャンプのある暮らし」をすれば、おのずと防災までできてしまうのです。
…と、私はここまで想いを巡らせた時、
キャンプで防災することって、
無駄なく無理なく備えを続ける”持続可能な防災=SDGs防災”と呼ぶことが出来るのではないか!?
今未来へ求められる新しい循環をここに産み出すことが出来るのではないか!?
と、キャンプの持つ防災の可能性に震える程感動したのです。
ーちょっと横道へー
SDGsの簡単な説明をここに挿入しようと思いましたが、ご存知の方も多いと思いますので、定型文的なものはやめて、私が今までで一番わかりやすいと思ったSDGs解説の一部を貼ります。SDGsとは、Sustainable Development Goals(=持続可能な開発目標)…なのですが、実に分かりにくい。「Goals」を「目標」といわず、これをトミタ的に翻訳すると2030年に あるべき世界の姿」ということですね。先に、2030年にあるべき未来の世界の想像図を詳細に描いてしまって、それをあと11~2年で実現するのにどうしたら良いかを逆算して考えるってこと。その「未来の姿」が17の分野(これも不思議~な分け方なんだけど、まあいいでしょう)に分かれていて、シンボリックにアイコン化されているんですね。そして、その17の分野にまた細分化したテーマがそれぞれ10個くらいあるわけです。中身を一つ一つ解説するとかえって分からなくなるので、またざっくりと翻訳すると・世界に貧困や餓死する人がいなくなっていて・男も女も、子供も年寄りも、障害者もLGBTも、みんな楽しく暮らしていて・どの国もどんな人も、仕事もやりがいもあって、不平等なことがなくなっていて・戦争なんかしないでみんなで協力しあって・好きな街や町がずっと続き、また豊かな自然もずっと続くようにしていく2030年にはそんな世界になっているようにしよう・・・ってことですね。こういうビジョンなら ジョン・レノンもとっくに想像してました。ただ、レノンが夢見ていた頃は、そんな世界がいつ来るかまでは想像できなかったんですが、国連の偉い人たちがスゴイのは「この理想の未来」を2030年!って決めたところなんですね。
https://tomitaproduce.jp/blog/2018/12/16/sdgs-easy-words/
CAMMOCだからできること
しかし、もう15年以上キャンプを続けていながら、今までこのように防災とキャンプを結びつけるという考えに至らなかったことをなんだか情けなく思い、
そして同時に、この情報の浸透性の薄さを実感したのです。
調べてみれば、これまでもキャンプを防災に活かすという情報は多くの方が素晴らしく発信されていて、コロナ渦前は各地でイベントなども行われていたようです。
しかし、その情報は敢えて「キャンプ・防災」と興味を持って調べなければ辿り着けない場所にあることが多く、特にキャンプに興味を持っていない人がたまたまWeb上で記事などを目にしたとしても、そこには距離感と温度差があり、その記事を読み進めてもらえる可能性は低いように感じたのです。
こんなに素晴らしい情報なのに、届かない人がいるなんて悔しい!
キャンプにはこんな可能性があるんだよってことを全ての人に知って欲しいし、
防災をする上での選択肢の1つとなって欲しい!
届かない人がいるなら、私たちが届けよう。
CAMMOCなら出来る、CAMMOCだから出来ることがある。
と、このSDGs防災キャンプを伝えることがCAMMOCの新たな使命 のように思い、
この活動に力を注ぐことを決意したのです。
【BOUSAI BOOK】のはなし
こうして、先ずはこの想いを込めたフリーペーパーを発行することにしました。
CAMMOCだからできることって?
具体的にこの情報をどうやって届けるの?
ということに対して、自分達のビジョンを明確にし、
この活動の指標を「こんな感じです!」と言えるように具体化したかったからです。
これは、私達の力を発揮できる
「オシャレが好き」「ママの視点」という2つの軸をメインに、
キャンプや防災に興味がない人でも “手に取ってみたくなる”をコンセプトとした、
防災色やキャンプ色を敢えて全面に押し出さないデザインで仕上げた【BOUSAI BOOK】です。
まずは、このBOUSAI BOOKを手にとり、これを入り口に、
キャンプって防災に役立つんだねぇ、
こんなオシャレなグッズが防災にもキャンプにも使えるんだねぇ、
ちょっと気になるから、もう少しこの先を覗いてみようかな??
と思ってもらえることを願っています。
それでは、もう少し具体的に中を見ていきましょう。
このBOUSAI BOOKでは
・FASIHONABLE
・ENJOYABLE
・SUSTAINABLE
という3つのポイントを防災の中に見出してみようと提案しています。
(それぞれの項目について掘り下げた話はまた改めて書きたいと思います。)
さらに大きく開くと、
CAMMOCのhapiが開発した保存食を美味しく食べるレシピや、
CAMMOC厳選!オシャレに使える防災キャンプグッズの紹介、
そして、なんと防災キャンプを楽しく学べるスゴロクまで付いているんです!
このスゴロクCAMMOCスタッフみんなでやった時は大爆笑でした!
BOUSAI BOOK掲載のレシピや、グッズ、すごろくマスにはめ込んだ豆知識などについても、このマガジン内でどんどん発信していきますのでお楽しみに!
キャンプをしよう!
アルミホイルに巻いたホットドッグを牛乳パックに詰めて焼いたことがありますか?
昔からキャンプの定番として知られる、サバイバル感満載な調理方法で、私は子供の頃、ガールスカウトのキャンプの朝食で初めて食べました。
あの牛乳パックが燃える様子やパンについた少し焦げた香りを何故か今でも鮮明に覚えていて、もう30年以上たった今でも同じことをして、あの香りをかぐ度に、あの日ワクワクした、小さな私にタイムスリップできるのです。
でも、もし牛乳パックホットドッグを初めて食べたのが避難生活の中で、辛い気持ちの時だったら?
…パンについた焦げの香りは、悲しい香りになってしまうかも知れません。
キャンプをしよう!
そして、自然の空気の中で美味しく楽しく食べたご飯の記憶を作ろう!
不安な夜も、お家の中でランタンを灯し、寝袋に潜り込めば「なんだかキャンプみたいだね」って、心が少し解れるかも知れません。
キャンプをしよう!
そして、いつも持っていく道具達にも楽しい思い出を刻み込もう!
いきなり1からキャンプ場でテントを建てるキャンプに挑戦しなくても、まずはお家のベランダやお庭でご飯を食べたり、寝てみたりすることから試してみるのも良いと思います。
キャンプ経験のない方なら、お外で眠ることができたと言うことだけでも、驚きの経験かもしれません。
それが、“意外と大丈夫だな”と思えたら、少しずつ楽しみを増やしてみましょう。
そのうち、これがなきゃ絶対ダメー!と思っていたものがなくても、“意外と大丈夫かも?”と思えるかもしれません。そうしたら、少し気楽に生きることも出来るかもしれません。
大丈夫です。意外と大丈夫です。
もしもの時、キャンプの道具や知識が役に立つのはもちろんのこと、その楽しかった記憶や、体感までもが命を守る術となるでしょう。
Sincerely
mamimisawa